相続
2018/03/30

相続対策で考えたい、持株会社設立について

(写真=ASDF_MEDIA/Shutterstock.com)
(写真=ASDF_MEDIA/Shutterstock.com)
会社オーナーの間で、持株会社を利用した事業承継対策スキームが注目されています。会社の経営権を引き継ぐためには自社株の移転が必要ですが、業績の良い会社ほど自社株の評価が高く、後継者にとって贈与税や相続税の負担が大きくなります。

また、経営支配権を維持するためには、株式が分散することは望ましくありません。持株会社の利用は、節税対策とスムーズな事業承継対策を併せて実現できる切り札なのです。持株会社の仕組みや、持株会社を活用した事業承継のスキームを紹介します。
 

持株会社の仕組み


持株会社とは、日本では1997年に解禁された比較的新しい企業経営の仕組みで、一般的には下記3つの形態をさします。

・純粋持株会社 → 自らは事業活動を行わず、グループ会社を支配することを目的とする持株会社

・事業持株会社 → 自らも事業活動を営みながら、グループ会社を支配する持株会社

・金融持株会社 → 銀行、証券会社などの金融機関を傘下に置くことを目的とする持株会社
 

持株会社を利用した事業承継スキーム


持株会社を活用して事業承継する場合は、後継者、または社長が設立した持株会社に、社長が所有する自社株を売却するなどして、自社株を社長の相続財産から分離させます。持株会社の利用によって、株式の分散を回避することに繋がります。

さらに、傘下の事業会社の業績が伸び株価が上昇しても、それは持株会社の含み益とみなせることも大きいでしょう。純資産価額方式による算定では含み益の37%を控除でき、株式評価額も引き下げられます。結果として、社長が事業会社の株式を直接保有している場合に比べ、自社株式の評価額を引き下げられる可能性が高いというわけです。

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持株会社を利用した事業承継スキームのメリット・デメリット


持株会社を活用して事業承継に成功した例もあれば、失敗した例もあります。持株会社の性質ごとに分けてメリット、デメリットを説明しましょう。

・後継者が持株会社を設立した場合
迅速に後継者に事業承継できます。また、後継者自らの資金で自社株を買い取るため、遺留分を請求される「遺留分減殺請求」の問題が出ないこともメリットです。

反面、自社株の買い取り価額は「相続税評価額」ではなく「時価」で評価されます。現社長から見ると持ち株が現金化するだけであり、相続税対策には不向きだとも言えます。また、後継者が自社株を買い取る資金は銀行からの融資で調達する必要があり、金利負担が出てくることもデメリットでしょう。

・社長が持株会社を設立した場合
持株会社の株価上昇を抑えることができれば、社長個人の相続対策としては非常に有効と言えます。

反面、持株会社の株価を引き下げた後、後継者に持株会社の株を贈与した場合は、後継者以外の相続人から遺留分減殺請求を受けるリスクも否定できません。

・その他の留意点
持株会社の株式等の価額が、総資産に占める割合の50%以上になると、株式保有特定会社とみなされて純資産価額方式で評価されます。そのため、株式の価額の占める割合が大きくなりすぎないよう、持株会社の資産構成には留意する必要があります。

また、開業3年未満の会社は純資産価額方式で評価されます。したがって、駆け込みで持株会社を設立するのではなく、設立後3年以上経過した既存会社を活用し、株式交換して持株会社とすれば良いでしょう。
 

相続と事業承継


「相続」と「事業承継」を分けて考える方もいますが、これは正しくありません。会社は永続的に経営を続けるのが前提ですから、社長に万が一のことがあったとしても事業の停滞は許されません。

一方、相続が発生するまでに事業承継の対策を講じていない方も少なくなく、相続で強制的に事業承継が始まってしまうのも現実です。

事業承継は相続の一つの形態です。まず、社長個人の「相続」の在り方を考え、並行して後継者を決めるなど、社長の立場から「事業承継」を考えるべきです。「相続」と「事業承継」を一体として捉え、家族や従業員など利害関係者全員にとって有効な対策を講じていくことが大切です。
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