相続
2018/08/09

親族が集う盆暮れに向けて知っておきたい、個人財産贈与・相続の流れ

(画像=PIXTA)
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自分の財産の相続や贈与を考えるというのは大切なことですが、人の性として、わかっていても自分の万一を想像するのは辛いものでしょう。しかしながら、相続は往々にしてトラブルの元となる可能性があります。いざというとき、遺された人々が悲しい思いをしないために、盆暮れなどの親族が集まるタイミングで、自分の意向を伝えることを検討してみてはいかがでしょうか。

贈与と相続、はじめの一歩

個人財産の贈与や相続について、家族と話し合う前にまず必要になるのが財産状況の把握です。そのためには、現時点で所有している財産の全てを記載した、財産目録を作成することをお勧めします。

財産目録には現金、預貯金、不動産、有価証券、生命保険などのプラスの財産である資産だけではなく、住宅や教育ローンの借入金など、マイナスの財産となる負債についても記載する必要があります。財産目録には全ての財産を記載することが重要で、財産の記載が抜け漏れてしまった場合には贈与や相続の検討に大きく影響を与えるおそれがあります。

非課税制度を活用した生前贈与で、税負担を軽減

財産目録を作成することで、相続が発生した場合、遺産を相続した人たちは財産状況や相続税について状況を把握しやすくなります。また、相続税が発生するようであれば、非課税の生前贈与を活用することで、将来の納税負担を軽減することができます。非課税の生前贈与の特例には以下のようなものが挙げられます。

●贈与税の基礎控除を活用した暦年贈与

贈与を受け取る各人に対して、1年間で110万円までは非課税で贈与をすることができます。(贈与の受取人が他からの贈与を受けていない場合)

●夫婦間で居住用の不動産を贈与した場合の配偶者控除

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用の不動産そのもの、または取得のための資金を贈与する場合、最大2,000万円まで非課税となります。

●教育資金の一括贈与の特例

子どもや孫に対して、学費や習い事などの資金を一括贈与する場合、最大1,500万円まで非課税となります。この特例は子どもや孫の年齢が30歳未満の場合に適用することができます。

●結婚・子育て資金の一括贈与の特例

子どもや孫の結婚資金や子育てに充てる資金を一括贈与する場合、最大1,000万円まで非課税となります。この特例は子どもや孫の年齢が20歳以上50歳未満の場合に適用することができます。

●直系卑属に対する居住用不動産の資金贈与の特例

子どもや孫に対して、居住用不動産の取得や増改築などの資金を贈与する場合、最大1,200万円(不動産にかかる消費税率が10%の場合は最大3,000万円)までが非課税となります。この特例は子どもや孫の年齢が20歳以上の場合に適用することができます。また、不動産の取得等に関する契約日、不動産にかかる消費税率、不動産が省エネ等住宅に該当するかにより、非課税の限度額が変わります。

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個人資産の遺産分割方針を決める

次に自身の逝去後、遺産の分割をどのように行うかを検討します。複数の法定相続人がいる状態で「全財産を特定の一人に相続させる」といった意向は、相続トラブルを引き起こす原因になりかねません。そもそも、一定の範囲の法定相続人には、最低限の遺産を取得する権利である遺留分が存在するため、よほどの事情がない限り、遺留分を侵害するような遺産の配分は避けなければなりません。

相続税については、小規模宅地の特例や生命保険の非課税枠などの様々な制度を利用することで、税負担を抑えることができます。ただし、これらの制度は、適用できる人が限定されているため、事前に適用範囲などを確認することが必要です。以下に相続税の負担を軽減するための措置について、主なものを挙げます。

●小規模宅地の特例

亡くなった人が事業や自宅として利用していた土地について、一定の面積までは8割減額した評価額で相続ができます。賃貸マンションのような貸付事業用の土地については5割までが減額となります。

自宅として利用していた土地の場合、配偶者が相続する場合は無条件で適用することができます。また、同居をしていた親族が相続する場合は、引き続きその自宅に住み続けることで適用することができます。配偶者や同居親族がいない場合は、条件によって別居中で3年以上自分の持ち家に住んでいない親族に対しても適用することができます。

●生命保険の非課税枠

亡くなった方が保険料を支払っていた生命保険や傷害保険のうち、その方の死亡により支払われる保険金には相続税がかかります。しかし、相続人が受取人である場合には、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が設けられています。多額の現預金を保有している場合は、その現預金で生命保険に加入し、相続税の負担を抑えることができます。

事前の準備はなるべく早めに

後々のことを考えると、個人資産の贈与や相続について自身の意向を反映できるようにしておくのはとても大切なことです。そのためにまずは、財産状況を把握するための財産目録を作成し、遺産相続の分割方針を決めましょう。なお、遺言信託を利用すれば、それらの工程から遺言書の作成まで金融機関がサポートしてくれます。

相続トラブルで大切な家族の関係が壊れてしまうのはとても悲しいことです。そのような事態に陥らないために、家族の集まる時期に個人資産の贈与や相続について話をしてみてはいかがでしょうか。

執筆:株式会社ZUU

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