相続
2018/11/13

賢く活用!暦年贈与のポイントと注意点

(写真=Yulia Grigoryeva/Shutterstock.com)
(写真=Yulia Grigoryeva/Shutterstock.com)
個人から財産を貰った場合に生じる税金を贈与税と呼びます。暦年贈与を活用することで、この税金負担を軽くすることができます。本稿では、暦年贈与のポイントと注意点について説明します。

暦年贈与とは

贈与税は贈与する金額が大きくなればなるほど税率も高くなります。110万円を控除した後の金額が200万円以下であれば10%。3,000万円を超えると55%もの税率になってしまいます。しかし、年間110万円までの贈与なら暦年贈与という方法を適用することで非課税とすることが可能です。

相続時精算課税制度とは併用不可

相続時精算課税制度は60歳以上の父母祖父母から贈与を受けた場合、相続が生じるまで、2,500万円までは非課税となる制度です。この制度のポイントは「相続が生じるまで2,500万円が非課税になる」という点です。(相続が生じたあとは贈与がなかったとして相続税を計算します。)

後日支払うのだから意味がないように見えますが、例えば株式や不動産のように将来的に値上がりが期待されるものを先に贈与しておくと、贈与時の価格が相続財産として算定されるため、使い方によっては大きなメリットを享受することも不可能ではありません。

ただし、相続時精算課税制度と暦年贈与はどちらか一つしか選択できません。相続時精算課税制度を選ぶと、以降、暦年贈与は一生利用できなくなります。「やっぱり暦年贈与にしておけばよかった……」などと後悔することのないよう、贈与の選択をする時には細心の注意を払うことが求められます。

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暦年贈与は認められないこともある?

「年間110万円まで非課税」と聞くととても便利に感じる暦年贈与ですが、使い方には気をつけたいところです。例えば両親が現在60歳で、年間110万円を毎年子どもに贈与したとします。もし両親が100歳まで生きたとすれば、総額は4,400万円となるため、相続時まで2,500万円が非課税の相続時精算課税制度よりも、圧倒的に大きな非課税枠が利用できます。

ただし、両親が子どもに「4,400万円の財産を、毎年110万円ずつ、40年間に渡って支払う」といった契約書を作ったり、または毎年同じ日にきっちり110万円ずつを支払ったりすると、「これは大きな金額を分割しただけですよね」と指摘されるおそれがあります。これを「連年贈与」と呼びます。

贈与の非課税枠とは、あくまでも「その年における」非課税の上限額が110万円なのです。つまり、ある年は夏に95万円を贈与したり、ある年は冬に100万円を贈与したりといったように、あくまでもその年ごとの事情で「たまたま」お金を贈与するということが前提となるのです。

正しい暦年贈与を行うために

「暦年贈与である」と認めてもらうためには、いくつか抑えておくべき点があります。先述に加え、例えばお金をもらう側が贈与を受けた認識がなかったり、贈与の事実を客観的に証明できなかったりすると、暦年贈与と見なされないおそれがあります。それを回避するためには、下記の3点を守っておく必要があります。

①贈与契約書の作成

お金を送る側(贈与者)とお金をもらう側(受贈者)それぞれの署名と日付、そして金額が入った契約書を作成します。公証役場で認証してもらうとさらに良いです。

②贈与は振込で

お金を手渡しにすると証拠が残りにくくなってしまいます。しかし銀行で振込をすると、事実がきちんと明記されるため、贈与としての証拠として成立しやすくなります。

③贈与の時期や金額に注意

先に述べたように、毎年同じ金額、同じ日付で贈与を行っていると「連年贈与ではないのか」と指摘されることがあるため、その点には注意しましょう。

税金の仕組みは複雑であるため、実際に検討する際は税務署や税金の専門家、または最寄りの金融機関へ相談をしてみるのも良いかもしれません。本稿で紹介したポイントをおさえて、賢く資産を次世代に引継ぎましょう。
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