相続
2018/11/16

相続対策の決め手となる「不動産評価」

(写真=Maya Kruchankova/Shutterstock.com)
(写真=Maya Kruchankova/Shutterstock.com)
相続財産には現金、株式、貴金属、そして負債も含め、さまざまな種類があります。中でも不動産は相続資産の中心といえるでしょう。不動産は高額になりやすい上、評価方法が複雑であることから、遺族の利害が絡みやすく論争を巻き起こす元になりえます。不動産評価がどのように相続に影響するのかについて見ていきましょう。

相続財産の実に4割以上は不動産が占める

相続財産に占める不動産の割合は思いのほか高いものです。国税庁が公表している「平成28年分の相続税の申告状況について」という統計によれば、相続税が発生した申告書を集計した数値として、土地が6兆359億円で相続財産全体の38.0%、建物が 8,716億円で5.5%となっています。

土地・建物を併せると相続財産の実に4割以上が不動産であり、預金や有価証券など他の資産と比べても、もっとも大きい割合となっています。だからこそ、相続について考える際、不動産の評価がどのようなものか把握しておくことは大切だといえます。

不動産はどのように評価されるのか

不動産は「一物四価」とも「一物五価」とも呼ばれることがあります。これは不動産、中でも特に土地の評価方法がたくさんあることを表しています。評価方法には、①地価公示価格、②固定資産税評価額、③路線価、④実勢価格などがあります。なぜ、これほど多くの不動産価格があるのかというと、それは目的によって評価方法が変わるからです。

①地価公示価格

地価公示価格は、国土交通省が毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示するものです。一般の土地取引における指標となるほか、先ほどの固定資産税評価額や路線価を算出する際の基準ともなります。

②固定資産税評価額

固定資産税評価額は、文字どおり、自治体が固定資産税の計算をする目的で使います。国が定めたガイドラインにもとづき3年に1回見直されています。通常は地価公示価格の7割程度となります。

③路線価

路線価は土地にかかる相続税の計算の基礎になります。毎年7月に国税庁から公表されます。地価公示価格の8割程度となります。

④実勢価格

最後の実勢価格は不動産市場で実際に取引されている価格です。市場における時価ともいえるもので、売買価格などを決定する際に参考とされます。

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相続で不動産の評価が問題になるケース

相続人が複数いる場合、誰がどの財産を相続するのか話し合う必要があります。そのときに不動産の価格が分からないと遺産全体を公平に分割できたか判断がつきません。

しかし、遺産分割協議のときにはこの価格を使いなさいといった法律や規則はありません。そのため、上で紹介した価格などを参考に相続人同士で納得できる評価方法を決めることになります。

これに対して、贈与税や相続税の計算では、土地については路線価、建物について固定資産税評価額をベースに評価することが通達などで決められています。

相続税の計算では特例なども確認しよう

相続税における評価では、さまざまな特例が認められています。よく活用されているのが小規模宅地等の特例です。

これは簡単にいうと、一定の面積まで宅地の評価を減額できるという特例です。例えば、特例の適用要件を充たすことで被相続人が居住用にしていた土地であれば、330平米の面積まで評価額の80%を減額することができます。また、一定の事業に使用していた土地であれば、400平米の面積まで評価額の80%を減額することが可能です。

このような特例は、相続した土地が生活の基盤になっているものであれば、多額の相続税をかけるのは好ましくないという政策的な配慮によるものといえます。適用要件があるので事前に確認しておくと良いでしょう。

不動産の相続で揉めないために

相続資産の中でも、不動産は揉めごとに発展しやすい資産の一つです。不動産評価には複数の方法がありますが、算定の仕方次第でその価値は大きく変わるため、いざ相続の際、遺族間で認識のズレが生じることにもなりかねません。
このような問題を回避するには、日頃から家族・親戚間でのコミュニケーションをしっかりと図り、万一のときにお互いに気配りできる間柄になっておくことや、お互いに納得のできる評価方法を話し合うことが肝心です。
 
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