相続
2019/07/02

相続税評価額を下げる方法とメリットや注意点

(写真=takasu/Shutterstock.com)
(写真=takasu/Shutterstock.com)
評価方法は財産によってさまざまで、時価と相続税評価額に乖離がある財産もあります。今回は相続税評価額を下げる方法にはどのようなものがあるのか、代表的な方法やメリットや注意点について解説します。

そもそも相続税評価額とは?

相続税は相続や遺贈などによって財産を取得した人ごとの「課税価格」の合計額から、基礎控除額を差し引いた「課税遺産総額」を基に計算されます。

相続税ではこの「課税価格」の計算の基礎となる財産の評価方法を「相続税財産評価に関する基本通達」で定めています。

「相続税財産評価に関する基本通達」では、財産ごとに細かい評価方法が定められています。評価の基本的な考え方は「課税時期(相続発生日)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」つまり「時価」です。

この時価を基本として、その財産の価額に影響を及ぼす事情を考慮した評価方法が財産ごとに決められていて、これがいわゆる「相続税評価額」です。

例えば普通預金は「課税時期における預入高」、定期預金は「課税時期における預入高+既経過利子の額-源泉所得税額」と、時価そのものになっています。

また上場株式は「相続発生日の終値」「相続発生日の属する月以前3ヵ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額」のうち、もっとも低い額となっていて、3ヵ月間で株価が暴騰していない限りこちらもほぼ時価に近い価格です。

その他、特許権、商標権、著作権などの「無体財産権」、自社株式などの「取引相場のない株式」、債券や投資信託等の金融商品、野菜や果物といった「果樹等」、森林や竹木、牛、馬、犬、鳥、魚といった「牛馬等」と、ありとあらゆる財産についての評価方法が定められています。

評価額を下げる方策とメリット

基本的な考え方は時価なのですが、財産によっては時価よりも相続税評価額が低くなる財産も存在します。代表的なものが土地や建物などの「不動産」です。

建物のうち自宅など自己で使用する建物は「固定資産税評価額」、アパートなどの賃貸用の建物であれば「固定資産税評価額-固定資産税評価額×借家権割合(30%)×賃貸割合」が相続税評価額です。

固定資産税評価額は時価の約7割ですので、例えば現金1億円で建物を建てた場合には、自己使用の建物は約7割、賃貸用の建物は固定資産税評価額の7割程度の評価額となり、現金と比較した場合に評価額を抑えることが可能です。

土地の場合、更地や自宅が建っている土地(自用地)の評価額は「正面路線価×地積×各種補正率等」が相続税評価額ですが、例えば更地にアパートなどの賃貸用の建物を建てた場合では、その土地(貸家建付地)の評価額は「自用地評価額-自用地評価額×借地権割合×借家権割合(30%)×賃貸割合)」になるわけです。

路線価は時価の約8割ですので貸家建付地の相続税評価額は時価の6割程度まで抑えることが可能です。

また、相続税評価額を下げるのではなく、課税価格そのものを減らしたり現金を手元に残す方策もあります。

代表的なものは「非課税限度額」の活用です。生命保険の死亡保険金と在職中に亡くなった場合に受け取る死亡退職金には「500万円×法定相続人」の非課税限度額があります。

受け取った死亡保険金や死亡退職金の一部または全部が非課税で受け取れますので、例えば現金を生命保険に換えることによって、相続財産が減少し相続発生後は非課税限度額分の現金が手元に残るわけです。

評価額を下げる際の注意点

このように、現金を違う資産に換えることによって相続財産全体の評価額を下げることができますが、こちらはあくまでも相続税に焦点を当てた対策であり、他の対策にとっては有効とならない場合があります。

例えば現金を不動産に換えた場合には、税負担の軽減にはなるかもしれませんが、遺産分割の面から見ると分割しづらい財産となり、誰が相続するのかを巡って揉め事が起きてしまい、現金のままのほうがよかったということになりかねません。

税負担の軽減だけではなく、遺産分割や納税資金準備もあわせた対策を立てることが大切なのです。

執筆:株式会社ZUU

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