不動産
2018/04/02

不動産を活用し、事業承継をスムーズに!

(写真=Patino/Shutterstock.com)
(写真=Patino/Shutterstock.com)
事業承継をスムーズに進めるためには不動産を活用することも有効です。不動産を活用することにより、どのような仕組みで相続税などを抑えることができるのか、個人事業と法人事業の場合に分けて説明します。その上で、事業承継で上手に不動産を活用するコツと注意すべき点を紹介していきます。
 

事業承継に不動産を活用する方法とは?


・個人事業の事業承継
個人事業の事業承継では、自家用の財産とともに現預金、店舗設備、不動産などの事業用資産や負債も相続の対象となることが特徴と言えます。相続財産は、事業用と自家用のいずれの場合でも、現預金や有価証券で保有するより不動産として保有する方が相続税も低くなる傾向にあります。

相続財産は国税庁が定める「財産評価基本通達」に従ってその額を評価しますが、これに従うと不動産の相続税評価額は実勢価格より2、3割低くなることが通例です。また、賃貸している不動産であれば、建物は「貸家」、土地は「貸家建付地」として評価され、さらに評価額が下がります。

・小規模宅地等の特例について
また、一定の条件を満たす不動産の相続では評価額を減額する「小規模宅地等の特例」が認められています。具体的には、事業で使用している土地は「特定事業用宅地等」として400平方メートルまで80%減、賃貸用に使っている土地は「貸付事業用宅地等」として200平方メートルまで50%減となります。

・法人の事業承継
法人の事業承継では、事業用資産は株式会社などの法人が所有しています。したがって、創業者などオーナーが保有している株式を後継者に相続させることを主眼に置きます。

株式も相続財産であるため、上述の「財産評価基本通達」に従って評価されます。株式を評価する際には、会社が保有している財産についても相続税法上の評価額を算定して株式評価に反映させます。そのため、会社が不動産を保有すれば個人事業の場合と同様に、相続税の負担軽減につながります。

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不動産活用のコツは?


・時価の下がりにくい都市部の物件
現預金を不動産に変えて相続税評価額を抑えるためには、時価の下落リスクが少ない都市部の不動産を保有するのが得策です。これは、相続税評価額を下げる一方で、将来、不動産を売却するときでも資産価値が保たれるためです。

・設備投資の一環として優遇税制を活用
法人が不動産を取得する用途としては、事務所、店舗、工場、社宅、収益用物件などさまざまなものが考えられます。いずれの場合も、土地や建物にだけでなく、備品や機器などの設備にも投資します。設備投資では少額減価償却資産の制度や中小企業等投資促進税制などの優遇税制を活用し、トータルの税額を抑える工夫も有効です。

・必要に応じて不動産で調整
後継者には事業用不動産や法人の株式を承継させ、後継者以外の相続人には自家用不動産や収益用不動産を承継させるというように、遺産を公平に配分するためのツールとして不動産を活用する方法があります。

また、事業承継に際しては、第三者に事業譲渡をしたり、会社分割をしたりするケースも考えられます。事業譲渡や会社分割の対価をもう少し抑えたいというときに特定の不動産を対象から外すなど、不動産を調整する手段として活用する方法もあります。
 

不動産を取得する際の注意


・取得から3年以内の不動産は時価評価
法人で不動産を取得した場合、取得から3年以内の不動産は相続税評価額ではなく通常の取引価額、すなわち時価で評価します。つまり、不動産の取得から3年以内に自社株式の相続があった場合、上述したような負担軽減効果は得られないので注意しましょう。

・地価高騰の可能性
不動産を取得した後に、地価が高騰し自社株の評価が高くなるケースが考えられます。地価の高騰が見込まれる場合は、区分所有物件など物件価格に占める地価の割合が低い不動産を取得することで影響を緩和することができます。

・納税資金の確保
現預金や有価証券を不動産に変えれば相続税法上の評価額を下げることはできますが、同時に納税資金を確保する手段も考えておく必要があります。なかには納税資金が不足し、相続財産を売却しなければならないケースも見られます。そうならないためにも、相続財産の中で換金性の高い資産をある程度保有しておくことも大切です。

・中小企業経営承継円滑化法
中小企業経営承継円滑化法では、贈与税や相続税の納税を猶予する制度を設けています。一定の条件を満たす事業承継が対象で、不動産や有価証券などの非事業用資産の保有比率が70%以上になるなど所定の要件に抵触すると納税猶予制度の適用対象外となるので注意が必要です。

以上、事業承継における不動産活用のコツと注意点を紹介しましたが、税務上の取り扱いなどについては個別の事情により状況が異なる可能性があります。この記事を、検討を始める際の足掛かりとしていただければと思います。
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