不動産
2018/10/03

土地活用するなら押さえておきたい借地と底地のキホン

(画像=PIXTA)
(画像=PIXTA)
土地活用をする際には借地権と底地権に関する基本知識は欠かせません。なぜなら、借地権者と底地権者は同じ土地の上に異なる権利を有しているからです。そうした権利の違いが土地の評価額にも表れてきます。

本稿では、まず借地権と底地権は法律上、どのように規定され、それぞれの権利者が何を主張できるのかについて解説したいと思います。また、借地権を設定することで土地評価にどのような影響があるのかについても明らかにします。

借地権、底地権とは

・借地権とは

借地権とは、建物の所有などを目的とした地上権あるいは賃借権のことを指します。借地権が付いている土地を借地、借地権を持っている権利者のことを借地権者と呼びます。

地上権というのは、土地所有者との間で契約により設定した土地を自由に使うことのできる権利です。民法では、物に対して直接的に及ぶ権利である「物権」と人に対して何かを請求する権利である「債権」を区別しています。一般に「債権」より「物権」の方が強い権利であると言われます。

地上権は「物権」に該当するため、地上権者の権利としては強く、地主の承諾がなくても権利を譲渡したり、賃貸したりすることが可能となります。

これに対して、賃借権は、土地所有者との間で土地賃貸借契約などを締結することにより、その土地を利用することのできる権利を指します。賃借権は「債権」に該当し、土地を売買したり、第三者に転貸したりする際には、土地所有者の承諾が必要になります。

土地所有者にとっては地上権より賃借権のほうが権利関係として扱いやすいため、賃借権にもとづく借地権が一般的になっています。

・底地権とは

底地権とは、建物の所有などを目的とした借地権を設定している場合における土地所有者の権利を指します。つまり、土地所有権から借地権を差し引いた残りの権利であり、借地権と底地権は表裏一体の関係にあるものです。第三者に底地だけを売却するなど自由な土地活用が制限されるため、底地権は不完全な所有権とも形容されることがあります。

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借地権はどのように保護されている?

・旧法借地権と新法借地権がある

土地を借りて、その上に建物を建築して住んでいる人が地主の意向だけで追い出されるようなことがあれば、借地権者は安定した生活の基盤を築くことができません。そのため、旧来から借地権者の権利は強力に保護されてきたという経緯があります。

ただし、あまりにも地主の権利が制限されるという弊害があったため、従来の借地法(旧法)に代わって、平成4年8月1日より借地借家法(新法)が施行されるに至りました。しかし、施行日より前に締結されている借地権には現在でも借地法(旧法)が適用されるため、まだまだ旧法借地権が多く残っているのが現状です。

・旧法借地権の場合

旧法においては、建物をコンクリート造などの堅固建物と木造などの非堅固建物の2種類に区分し、原則として、前者の存続期間を60年(更新後30年)、後者の存続期間を30年(更新後20年)と定めています。このため、かなりの長期間にわたり土地所有者の権利が制限されることになります。

・新法借地権の場合

新法借地権には、法定で更新される「普通借地権」と基本的に更新がない「定期借地権」があります。このうち「普通借地権」では、堅固建物と非堅固建物の区別なく、存続期間は一律30年(最初の更新後20年、2回目以降の更新後10年)となっています。ただし、地主と借地権者の間でこれより長い存続期間を設定することは可能です。

これに対して、「定期借地権」は①一般定期借地権(存続期間50年以上)、②建物譲渡特約付借地権(存続期間30年以上)、③事業用定期借地権(存続期間10年以上50年未満)の3種類に分かれます。

一般定期借地権および事業用定期借地権では、借地権者は期間の満了に伴い建物を解体して土地を地主に返還しなければなりません。また、建物譲渡付特約付借地権は、存続期間の終了に伴い、相応の対価で地主に建物を譲渡します。これらの点で定期借地権は、地主にとっても使い勝手の良い制度となっており、借地権者と底地権者の利益の調整が図られているといえます。

借地権を設定したら土地の評価はどうなるか

借地権を設定することにより、土地所有者の利用価値はかなり制限されます。そのため、相続税などで土地を評価する際にも、そうした利用価値の制限が反映された評価となります。

普通借地権の評価額は自用地(いわゆる更地)としての土地価額に「借地権割合」を乗じて算定されます。「借地権割合」は事情が類似している地域ごとに定められている数値で、国税庁ホームページに掲載されている路線価図や評価倍率表で確認することができます。

また、定期借地権の評価額は、借地権の残存期間などで調整する必要がありますが、実務上、国税庁が公表する「定期借地権等の評価明細書」に従って算定されます。底地権の評価額は、自用地の評価額からこれらの借地権の評価額を差し引いたものとなります。

借地権と底地権の間にトラブルの発生も

借地権と底地権に関する基本知識は以上のとおりですが、実際には両者の権利関係でトラブルが発生することも珍しくありません。これらのトラブルに対しても事前の調査と想定を徹底することで、ある程度の対策を講じることも可能です。
 

執筆:株式会社ZUU

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