事業承継
2018/06/14

生命保険を使った事業承継対策とは?

(写真=affendi shahidan/Shutterstock.com)
(写真=affendi shahidan/Shutterstock.com)
事業承継では、後継者の選定および教育、株式・資産・債務の承継、自社株評価額の算出、登記の変更、従業員や外部関係者への周知など、さまざま対策が必要となります。今回は、事業承継対策の方法の1つとして、生命保険の活用について説明します。
 

事業承継対策で生命保険を使うメリット


法人が生命保険に加入する目的には、下記の理由が想定されます。

①経営者が死亡した時の事業保障資金の確保
②法人税等の節税対策
③緊急時の予備資金の確保

事業承継の際、企業は引退する経営者に多額の役員退職慰労金を支払い、後継者は経営権と財産権を取得するために株式を受け取る必要があります。この時、生命保険を活用することで次のメリットが生じます。
  • 保険料を損金として計上することで利益を圧縮し、法人税の負担を軽減する
  • 契約していた生命保険を解約すると、資産が圧縮されて自社株の評価額が下がり、後継者が支払う贈与税や相続税額を減らせる
  • 生命保険の解約返戻金を役員退職慰労金の支払いや納税資金に充当できる

事業承継対策で生命保険を使うデメリット


一方、事業承継で生命保険を使う時は、次のデメリットもあります。
  • 生命保険の加入には年齢制限がある
  • 保険料支払額が大きいと資金繰りの悪化につながる
  • 生命保険は長期運用で効果を発揮するものであり、契約時にただちに効果を発揮するものではないため、役員退職金の支払いと保険解約のタイミングを考慮する必要がある

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事業承継で活用できる生命保険の種類


ここでは、事業承継で活用できる生命保険について紹介します。

<定期保険>
一定期間、保険料を支払うことで保障が得られる保険であり、法人向けの保険として最も多く使われている保険です。掛け捨てタイプの定期保険は年間保険料が格安である割に大きな保障が付いていますが、解約返戻金がないことが欠点です。

事業承継で活用できるのは、解約返戻金がある次の3つの定期保険です。

[逓増定期保険]
・保険期間が経過するにつれて保険金額が逓増(最大で加入時の5倍)する
・短期、中期的な資産形成に向いている(50歳代以上の経営者ら)
・保険料の2分の1を損金算入できる(節税効果:中)

[長期平準定期保険]
・保険期間が非常に長い
・長期の資産形成に向いている(30歳代、40歳代の経営者向き)
・保険料の2分の1を損金算入できる(節税効果:中)

[生活障害保障型定期保険]
・死亡時だけでなく、要介護など一定の生活障害状態になった場合にも保険金が支払われるが、解約返戻金の金額が小さい
・保険料の全額を損金算入できる(節税効果:大)
・短期、中期の資産形成に向いている(50歳代以上の経営者向き)

<終身保険>
・保険料の支払いが終了した後も死亡するまで保障が続く
・支払保険料の全額が資産計上される(節税効果はなし)
・加入者の死亡後、法人に資金を残すことを目的としている

<養老保険>
・保険期間終了時には、支払った金額の合計よりも大きい額の満期給付金がある
・支払保険料の全額が資産計上される(節税効果はなし)
・満期前に加入者が死亡した場合でも法人は事前に設定した死亡保険金を全額受け取れるが、死亡保障料が加わっている分、保険料は高めに設定されることが多い

以上、生命保険を使った事業承継対策について説明しました。生命保険を使った場合のメリットとデメリットを確認した上で、生命保険会社の担当者に相談してみるといいでしょう。生命保険の運用をシミュレーションし、自社の事業承継のパターンにそれぞれ適した生命保険の種類を選択することが望ましいです。
 

執筆:株式会社ZUU

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