事業承継
2019/02/20

廃業にも準備が必要!?廃業に必要な手続きや資金とは

(写真=Rugdal/Shutterstock.com)
(写真=Rugdal/Shutterstock.com)
事業の立ち上げに際して、廃業時の手続きや必要な資金まで想定しているケースは少ないかもしれません。しかし、近年経営者の高齢化が進んでいる状況下にあって、会社の休廃業や解散が増えているのも事実です。もし、何らかの理由で「廃業」を決断したときに大きな問題に発展しないよう、必要な手続きや資金について、最低限の知識を学んでおきましょう。

いつか来るかもしれない「廃業」のとき

経営者の高齢化に伴い、会社の「廃業」を選択する経営者が増えています。東京商工リサーチの「2017年『休廃業・解散企業』動向調査」によると、企業倒産が年間で1万件を割り込んでいる一方、休廃業・解散を選択している企業の数は、倒産件数の実に3倍以上となっているのです。このことは、倒産ではなく、自主的に休廃業・解散を選択する企業経営者が増えている実態を表しています。

その背景にあるのは、経営者の高齢化です。同調査によると、休廃業・解散した企業の代表者の年齢は、60代以上が8割を超えていることが明らかになっています。具体的な数字で見ると、70代が最も多く36.1%、次いで60代が32.5%、80代が14.7%となっています。高齢化が企業の休廃業・解散に影響を与えていることは間違いないと言えるでしょう。

高齢化の進展が顕著な日本において、これから先、廃業を選択する企業はさらに増えていくかもしれません。そのような事態に備えて、企業経営者には、適切な準備を進めていくことが求められています。

廃業には適切な「準備」が必要

ところで、廃業時にはどのような手続きが必要となるのでしょうか。企業の成長と発展のみを追求してきた企業経営者にとって、廃業にも手続きや資金が必要であることを知ると、まさに寝耳に水と思われるかもしれません。ただ実際問題として、会社の廃業には手続きおよび資金が必要となるため、あらかじめ準備しておく必要があるのです。

廃業に必要となる手続きや資金について、きちんと準備を進めておかなければ、円滑な廃業を実現することはできません。従業員の説得や取引先への挨拶回りなど、ただでさえ忙しくなる廃業時において、手続きや資金面で不安があるままだと、余計に時間や労力が必要となるばかりか、場合によってはトラブルに発展してしまうこともあるかもしれません。

廃業に必要な手続きや資金、流れを知る

あらかじめ廃業に必要な手続きや資金について確認しておきましょう。どのような手続きが必要であるのかを知り、また資金の目処についても把握しておけば、スムーズに廃業を進めることができます。それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

・どのような手続きが必要なのか?

廃業に必要な手続きは、個人と法人で異なります。代表的なものとしては、個人の場合であれば「廃業届の提出」が必要となるのに対し、法人の場合であれば「解散の登記」や「清算結了の登記」が必要となります。また細かいところでは、青色申告の取りやめ、株主による解散の承認、解散公告、確定保険料申告書の提出など、事業の状況に応じて必要となる手続きは異なります。自社の状況をふまえ、事前にチェックしておきましょう。

・資金はどのくらい用意しておくべきか?

次に、廃業に必要な資金について見ていきましょう。法人の解散にかかる費用としては、解散登記に3万円、清算人登記に9,000円、清算結了登記に2,000円などが代表的です。それらに加えて、官報公告の費用や雇用保険などの廃止手続き、さらには事務所などの原状回復費や司法書士・税理士などへの依頼料も加味しておかなければなりません。必要な手続きと同様、どの費用が発生するのかをあらかじめ試算しておきましょう。

・廃業の流れについて

そもそも廃業は、大きく「解散」と「精算」に分けることができます。まず、株主総会の特別決議で解散の承認を得たうえで、解散の登記をします(解散)。次に、清算人による会社の債務・債権整理が行われ、債権があれば取り立て、債務があれば弁済することとなります(精算)。最後に、余った財産があれば株主に分配され、精算が完了します。

廃業の流れについては、「①営業終了日の決定」「②廃業のお知らせ」「③解散手続き」「④精算手続き」「⑤労働保険の廃止手続き」「⑥確定申告」といった手続きを経るのが一般的です。この他にも、業種によっては保健所への届け出などが必要となる場合もあるので注意しましょう。

スムーズな廃業のために事業の全体像を把握する

廃業に必要な手続きや費用、そして廃業の流れを理解しておけば、いざというときでも慌てずに対処することができます。もし廃業を決めたときに困らないように、まずは事業の全体像を把握することからはじめてみるのがいいでしょう。

執筆:株式会社ZUU

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