事業承継
2019/04/03

提出期限まであと4年!事業承継税制の特例を受けるための承継計画とは

(写真= wavebreakmedia/Shutterstock.com)
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事業承継税制は、会社経営を次世代にバトンタッする際の贈与税や相続税を軽減する制度として知られています。この事業承継税制が2018年の税制改正で大幅に使いやすくなったのをご存じでしょうか。

「特例事業承継税制」とも呼ばれる新制度の適用を受けるためには、特例承継計画を都道府県に提出する必要があります。この特例承継計画の提出期限は2023年3月までと定められています。提出期限まであと4年となった今、改めて適用を受けるための流れを確認したいと思います。

2018年から始まった新たな事業承継税制とは

事業承継税制に関する2018年度税制改正の目玉は適用の入口要件が大きく緩和されたことです。一つには、従来、納税が猶予される株式数には3分の2という上限がありましたが、すべての株式が対象となったことが挙げられます。また、相続税が猶予される割合も従来は80%のみとなっていましたが、改正により100%となったため、承継時の税負担が実質ゼロとなったのです。

従来の事業承継税制では、1人の先代経営者から1人の後継者に贈与や相続が行われる場合のみが対象となっていました。しかし、改正後は、親族以外の者も含む複数の株主から、最大3人までの後継者への承継も対象となるなどの見直しも行われました。より中小企業の実情に配慮した、使い勝手のよい制度に様変わりしたといえます。

都道府県に提出する承継計画の内容は?

こうした制度は、あくまで期限付きの特例という位置付けです。そのため、特例を受ける条件として一定の時期までに「特例承継計画」を作成して都道府県に提出する必要があります。

特例承継計画には、事業者名、代表者名、後継者名に加えて、株式の承継を予定している時期や経営上の課題、対処方針などについて記載します。また、事業承継後の5年間で後継者がどのような経営を行っていく予定なのか、具体的な取組内容を記載することとなっています。

特例承継計画の作成にあたっては、認定支援機関(中小企業の支援者として経済産業省から認定を受けた士業や金融機関など)の指導や助言を受けることになっていますので、まずは、そうした支援機関に相談するのが近道といえます。

納税猶予を受けるための手続きを再確認

特例承継計画を提出できるのは2023年3月31日までと決まっています。その上で、2027年12月31日までに贈与や相続(遺贈を含む)により自社株式を取得することが要件となります。

具体的な手順としては、まず特例承継計画を策定し、都道府県に提出します。その後、株式の承継を行い、都道府県に対して認定申請を行います。これに基づき知事が認定を行うことになります。

贈与税や相続税の申告自体は税務署に対して行いますが、その際に特例承継計画や認定書を都道府県に提出するのが特例事業承継税制に特有の手続きといえるでしょう。

なお、税金の申告期限のあと5年間にわたり、都道府県に対して「年次報告書」を毎年提出します。また、税務署に対しても「継続届出書」を毎年提出する必要があります。

さらに、5年経過後、事業承継税制の要件が満たされているかどうかについて、税務署に対して実績報告をすること、6年目以降は3年ごとに税務署に対して「継続届出書」を提出することが求められます。

手続きは大変でもメリットは大きい

以上のように、長期間にわたり手続きが要求されるなど事務コストがかかる面もありますが、事業承継にとっての障壁となっていた贈与税や相続税の負担がゼロとなるのは大きなメリットといえます。

直近の2019年度税制改正では、株式会社だけでなく、個人事業主の事業用資産にかかる相続税についても納税猶予制度が創設されました。政府も後押しする事業承継税制の要件や手続きを改めて確認し、納税猶予のメリットを確実に享受したいものです。

執筆:株式会社ZUU

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